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なかなか進まない工事中に来客



  故郷からの友人訪問

 11日・月曜日の朝、10時45分くらいに内海駅で私が迎えたのは田中さん(仮名)。彼は私とは小学校以来の同級生でそれ以後も長い付き合いが続いていたけれども、私が知多半島に住むようになってからは30年以上会っていなかった。
 ちなみに、通学圏が広がった中学校の同級生は3学級100人。もう会うこともないけれども、その同級生たちの近況をとても知りたかったので、会って消息を聞くのがとても楽しみだった。田中さんは私の故郷でもある四国徳島県南の小さな漁村に今も住んでいて、月に数日大阪の文化センターの講座を受けるために本州に渡っているとのことです。

 話は前後するのだけれども、田中さんからの同級生の消息は極めて少なかった。徳島の故郷で会えるのは2,3人に過ぎなかったようだ。私の記憶では100人のうち、中卒で世の中に出たのが7割で、高校進学者は30人、そのうち大学まで進んだのは私を含めて7人だった。貧しい漁村だったし、昭和30年代の第二次世界大戦・太平洋戦争の敗戦の余韻が残っていた時期でもある。それで、中学校しか出なかったのは、学校の成績でなく、家庭の経済事情だったので、これらの友人たちのその後の暮らしがどうなったのかを知りたかった(その中にはしっかりした人もスポーツ万能の人も芸術センスのある人もいたし)のだが、田中さんによれば、関西に出た仲間の消息はその後得られない、そこで職を得て相手を見つけて家庭を作ったケースがほとんどで故郷への音信は無いとのことだった。

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 (同級生の例外のような大学まで私が進めたのは、高校在学中に大学進学後の「特別奨学金」の国家試験に合格していたからで、その額は4年間の学費・生活費を賄うに足りる額だったからだ。ただ、大学卒業後に大学付属中・高校で英語教員の職を得たが、私の長年の持病中耳炎難聴で健康が維持出来ずに3年で退職し、その後10年くらい小さな町工場を転々として、その後農業の道に進みました。)

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 またまた話は前後して、複雑な展開になってしまうのですが、田中さんと出会った11日は内海中之郷(うつみ・なかのごう)の家は工事中であって、瓦の葺き替えに続いて、外壁・室内壁の工事が続いていて、ずっと昼間は部屋にいてはトンカチが響いていて、とても居られないので、山の畑などに避難していたのだが、11日の昼は私の料理はこれしか出来ない肉入り野菜炒めと焼き魚、お湯を注ぐだけの味噌汁をランチにした。田中さんをそのあと山の畑、それから海岸へ案内し、海辺で少し時間を過ごしたり、海が見える喫茶店で時間をつぶした、というのも、この町は小さな観光地とは名ばかりで、海という景色のためと水泳のためだけの観光地なので、町の中さえうろうろする場所さえない。町に古い寺があるといっても、奈良や京都の東大寺、清水寺、八坂神社を知っている人たちには案内できない。農場にも寄ったら、長女が私の古い友人に興味を持ってあれこれ長い質問をしていた。私に友人などは滅多に来ないし。それから早めに帰宅して、ゆっくりお話を伺うことにして、夕食はテイクアウトの海鮮弁当を私、連れ合い、田中さんの3人で話しながら食べたのだった。
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 夜、休んでいただいた部屋だけが畳敷きで、他の部屋は下足で上がる作業中の部屋という客人には失礼な状態だったのだ。ただ私の頭の中は家の工事だけでなく、11日の午前には浄化槽の清掃予定が入っていたし、風呂が故障して使えないことが夕方になってわかったので、風呂抜きになってしまっていた。(これは後になって灯油タンクがカラになっていたので、翌日の午後にGSに満タンに給油してもらったら普通に加熱できた、とトラブル続きであった)。12日の午前10時過ぎになって、田中さんの翌日のスケジュールもあって、内海駅まで送ることになったのだが、実際、私の頭の中ではずっと混乱しっぱなしだったわけだ。とは言え、そういう様々のトラブル事情も理解していただいていて、有意義な訪問であったと感じていただけたようだが。それにしても、工事の足場やネットで狭い道路が更に狭くなってしまって、通行に迷惑を掛けていることにも、住んでいる私にもストレスになって居続けているわけだ。

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 お土産にいただいたのが、これ。
 「貝付き味付き・流子」(ながれこ)。普通の言葉では「とこぶし」と言っても、わかる人がいるだろうか。アワビの仲間でその小さな形のもの。故郷の町でしか缶詰でも手に入らないという貴品だ。田中さんは家の工事が終わっているだろう6月にまた来たいと言ってくれた。私の方が故郷に戻っても当たり前なのだが、同じ年齢なのに、私の方が老化が進んでいるようで、長距離旅行はできそうにないです。それでもアッと言う間に終わってしまった出会いだけれども、私も楽しい時間が持てたし、田中さんにもいい時間を過ごしていただいたと思っています。その後に町内の知り合いにトコブシの殻を見せたところ、この町でも採れるということだったが(漁業権の制約あり)、私は知りませんでした(ヒャァー、いつの間にか私は世間知らずになっていた)。


 このブログだけは書き続けていますが、お読みになってコメントをいただけるのが少ないので、facebookからの「友達申請」を承認しているのだけれど、そしてfacebookにもブログのコピーを出しているけれど、少しも読者が増えませんね。動画は容量が多いので、youtubeやinstagramにはアクセスしないし、もう高齢なのであれこれ視野を広げることができなくなっています。ジリ貧だね。


 友ノ遠方ヨリ来タルアリ亦楽シカラズヤ                        4月16日


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コメント 8

夏炉冬扇

故郷の友との30年振りの出会い。
心に深く残りますね。お互い元気で、りまたの再開を。
by 夏炉冬扇 (2022-04-16 20:13) 

mutumin

何十年ぶりの再会、楽しかったようで良い刺激になるのではないですか?私も友達がどんどん居なくなって来て、寂しさが募ります。
来て下さってこうやって会えるのは嬉しいですね。
こちら近くの海でもとこぶし(私は小さいアワビだと思っていたけど)は採れるようで、朝散歩に行った時、長い自家製網を岸壁の淵下にこすりつけ歩いていました。こうしてるとその網に入ったりするそうです。漁業権があるので、内緒でそっと食べる分だけ獲ってるようですよ。
by mutumin (2022-04-17 06:45) 

とりのさとZ

夏炉冬扇さん
 歳を取ると、訪問者がめっきり少なくなってしまいますので、古い友人ほどありがたいなぁといみじみ思います。

mutuminさん
 大事な訪問者なので、それなりの気遣いがあって疲れましたが、気持ちのいい疲れでした。

 トコブシは思ったほどおいしいとは感じなかったのですが、それは舌が肥えたからなのでしょう。この町ではコンビニやスーパーにはほとんど並ばないので、ビジネスとしてトコブシを採ったり売ったりはしてないので、漁業権は実態が弱いのかもしれません。
by とりのさとZ (2022-04-18 14:41) 

ポンコツ

良い時間を過ごせて良かったですね。
子供のころの友人というのは、本当にいいものですね。
とりのさとさんと30年以上ぶりに会い、お話しする時間を共有できたことができたことが何よりのおもてなしだったと思います。
youtubeは、自分は最近見るようになりました。興味を引くものは多くはないですが、じっくり見てしまうものもないわけではないので、それなりに役立っています。でも、携帯電話やパソコンが無くても全く困らない世代ですし、なくてもそれで構わないというスタンスです。そんな感じでいいのではないでしょうか。
by ポンコツ (2022-04-18 18:32) 

やおかずみ

私の時代は終戦後ということで、一学級40名の中で戦争のための母子家庭が17名もいました。それでも中学の同窓会は2年に一回まじめに続けてきましたが、コロナで中断してしまいました。早く同級生と話せる日が来ないかと待ち遠しいです。
by やおかずみ (2022-04-19 17:18) 

とりのさとZ

ポンコツさん
 私は十代を過ごした故郷から遠く離れているので、その頃の友人知人と出会う機会が在りませんでした。その上、もう動きが鈍い老人でもあるし、故郷には帰る家もありません。はるばるこちらへ来ていただくだけでもとてもありがたいことです。
 SNSもいろいろ情報を得たり、交流できたりするとはわかっていても、新たに手を伸ばす気力が少なくなっています。そうでなくても情報が過密のような気がします。

やおかずみさん
 そのような視点では考えたことがなかったのですが、確かに今考えても父親の影がない友人はまわりに5,6人はいました。でも今となっては故郷は遠く頭の中で友人を思い浮かべるのみです。
by とりのさとZ (2022-04-27 10:18) 

yokomi

英語教員も病気でやめられたとはとても残念でしたね。今なら有効な治療法があったでしょうに(>_<) 私は40年住んだ土地から隣町に引っ越しましたが、同級生との付き合いは元々薄く情報は少ないです。なので数少ない情報が得られたときは嬉しくなります。友の再来が待ち遠しいですね(^_^)v
by yokomi (2022-04-28 13:37) 

とりのさとZ

 yokomiさん
私は6人兄弟姉妹の一番下ですが、若い頃は私が一番重い難聴でしたが、最近はすぐ上の姉がほとんど聞こえない様子です。6人のうち4人が難聴なので、それは幼児の時の栄養失調が原因かもしれません。それでも日常に不便を感じない程度なので、こんなものじゃないでしょうか。
by とりのさとZ (2022-04-29 12:47) 

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